月1バーチャルライブ「Serial live experiments」の収支と完結について

共創進化型バーチャルライブプロジェクト「Serial live experiments」が、4/30のバーチャルライブ「Serial live experiments Final」をもって完結となります。

キービジュアル:漆藤よもぎ

開催概要

memex usual virtual live
「Serial live experiments Final」

日時:4/30(土)
開場:20:45
開演:21:00
入場料:無料
会場:Club Adaptation at cluster

イベントURL:
https://cluster.mu/e/0be47540-e789-4a06-bc95-d7b68160eb89

Serial live experimentsとは

「Serial live experiments」は、「何度でも足を運びたくなるバーチャルライブ」が行える空間の創出を目指して始まったプロジェクトです。(本記事ではバーチャルライブ=複数人が同時に同じVR空間内で体験するライブと定義します。以下同様)
プロジェクト詳細についてはバーチャルライフマガジン様にご掲載頂いたこちらの記事をご覧ください。
https://vr-lifemagazine.com/serial-live-experiments/

「Serial live experiments」バーチャルライブの様子
プロジェクト企画配信「バーチャルライブ研究所」の様子

目標とするライブ空間を目指し、1年間memexの所有するライブ空間「Club Adaptation」のアップデートを重ねてきました。
開発にあたっては、2021年5月に行った「Iteration Zero」から毎月ライブを行い、来場者の皆様のアンケートや配信コメント等のフィードバックを通して様々なことを決定してまいりました。
皆様にこの実験的な試みを長らくご支援、ご協力頂いたこと、心より感謝申し上げます。

プロジェクト完結

次回4/30(土)に行うライブに合わせたアップデートにて目標とする空間として完成する見通しが立ったため、次回を最終回と設定させて頂きました。
最終回の後、準備期間をおいて正式オープンおよびmemexによる本運用開始を予定しております。

Serial live experimentsの実施背景について

本プロジェクトの実施背景には「日常的かつ実践的なバーチャルライブの事例を作りたい」という思いがありました。
アーティストが制作費をかけずに魅力的なバーチャルライブを行える場さえあれば、バーチャルライブは音楽活動において極めて有力な手段になることを示したいと考えたからです。

memexは、アーティストと観客がVR空間内に没入して楽しむ「バーチャルライブ」に音楽活動の新たな可能性を感じ、2018年の準備期間を経て2019年に活動を始めました。
バーチャルライブが日常のものとなり、それが音楽活動を行う際の有力な手段として認知されるようになると信じています。そしてバーチャルライブが普及するほどに、取り巻く環境も進歩し、より面白い体験を創ることができるようになっていくと考えています。
そのとき音楽がどのように形を変えていくか、また私たちにどのような表現ができるかに興味があり、バーチャルライブが流行した未来が来ることを夢見ています。

バーチャルライブの流行のために私たちにできることを考えた結果、冒頭の「日常的かつ実践的なバーチャルライブの事例を作りたい」という思いに至りました。日常的というのは、普及した未来で広く行われていると考えられることを指しています。また実践的というのは、バーチャルライブが音楽活動にとってプラスになることを指しています。
普及した状態は、バーチャルライブを行うこと自体には最早目新しさがない状態と考えます。そうなったときに、音楽活動にとってプラスとなるバーチャルライブは、その体験の価値自体によって、かけたコスト以上のリターンを得ることを志向しているはずだと考えました。
リターンとは、例えば新しいファンに見つけてもらうことや、チケットなどによる体験の対価としての売上を得られることです。

現在行われているバーチャルライブは、大きく2つに分けられると考えています。
1つはそのライブのためだけの新規アセット・演出制作などにコストをかけた、アーティスト・オペレーターのパフォーマンス以外にも特別なコンテンツを含んだ価値を持つもの。
もう1つは、新規の制作なしに人件費だけがコストとなる、当日のアーティスト・オペレーターのパフォーマンスが価値の主体となるものです。
この2つを比較すると、前者より後者の方が日常的で、より多くのアーティストに実行可能なものだと思います。

そこで日常的かつ実践的なバーチャルライブの事例を作るための前段階として、それに適した環境、つまり「何度でも足を運びたくなるバーチャルライブ」が行える空間の創出を目指して本プロジェクトはスタートしました。
ライブを行うプラットフォームとしてclusterを選んだのも、対応デバイス・同時接続数の面でたくさんの人に見て頂きやすく、Vアイテム等の仕組みによって収益化を行えるという2点でリターンを得やすく、実施背景にマッチするという理由からでした。

Club Adaptationの完成について

完成とする基準については明確に設けておりませんでした。
これは「何度でも足を運びたくなるバーチャルライブ」という目標が来場者の皆様に依存したものであり、立ち行かない可能性も想定していたためです。
プロジェクトの進行状況を踏まえ、以下の3つの理由をもって完成日の設定を行いました。

・実装目標が明確化され、達成の目処が立ったため
・Club Adaptationでの継続的なバーチャルライブの実施見込が立ったため
・完成後の本運用で、来場者が定着し得ると希望を持てたため

実装目標が明確化され、達成の目処が立ったため

複数回の実験的な試みや追加した機能の運用と、そのフィードバックを経て、プロジェクトの目標達成に向けたClub Adaptationの設計方針および実装目標が明確化されました。
設計方針と実装目標については長くなってしまうため、また別記事で詳述できればと思います。ご興味があればぜひご覧ください。
その明確化が為されたのが2021年12月ごろで、それから2022年3月のVol.10まで、実装目標の達成に向けてVisual ArtistのMikipomさんの協力を得ながら実装を進めてきました。
その結果、4月30日の回までに実装目標達成の目処が立ちました。

Club Adaptationでの継続的なバーチャルライブの実施見込みが立ったため

「何度でも足を運びたくなるバーチャルライブ」は、前提として継続的に実施できる必要があります。
つまり「宣伝になるなどの相乗効果があるからライブ単体では赤字でもOK」ではなく、ライブ単体で黒字になるべきだと考えています。

こちらはSerial live experimentsの利益グラフです。ライブ映像販売のなかったVol.3(全編ライブ配信を行ったため)を除き、全ての回で黒字となりました。
売上は、ギフト演出機能(Vアイテム)等から算出されるcluster上の売上と、ライブ映像販売による売上の合算です。現在スタッフは演出オペレーターとカメラマンの2名がおり、人件費は稼働時間換算で一般的なライブハウススタッフ以上ととれる額をお支払いしております。

皆様のご支援のおかげで、Serial live experimentsはライブ会場でのギフト機能及びライブ映像販売による売上がスタッフ人件費を継続的に上回る状況を実現できました。
もちろんこれはプロジェクトに対する応援の気持ちを含んだ結果であると受け止めており、本運用も同様に行えるかはこれからの企画・パフォーマンスの努力次第と考えています。
ですが、それを踏まえても十分に継続性に希望を見出せる結果だと考えています。

完成後の本運用で、来場者が定着し得ると希望を持てたため

こちらはSerial live experimentsの来場者数グラフです。平均参加者数は453となりました。来場者数はclusterイベントページにて主催者が確認できる値(参加者数)を用いています。
グラフからわかるように、対バン形式のライブを行ったVol.10を除いても来場者数は上昇傾向となっています。
また、毎回行っている来場者アンケートでも、繰り返しいらっしゃっている方が多く見受けられます。
前項と同様に、これはプロジェクトに対する応援の気持ちや、共創への参加という価値を含んだ結果であると受け止めています。ですが、上記の結果はもちろん、来場者の皆様のライブそのものを楽しんでいただいているハッシュタグツイートや、アンケート内感想欄等のフィードバックの熱量から、本運用においても楽しんで頂けることに希望を持っております。
本運用においては、機能追加とは異なる形で、都度のライブに魅力を感じて頂けるよう尽力していければと思います。

おわりに

皆様のご支援・ご協力によって、Serial live experimentsは、当初の想定を遥かに越えた良い終わりを迎えることができそうです。
金銭のやりとりを伴うユーザー主催のバーチャルライブの事例がまだまだ少ない中でこうした結果を皆様と残せたことは、私たちにとって何物にも代えがたい財産だと考えています。
重ねて御礼申し上げます。
どうかプロジェクト完結まで、見届けて頂けますと幸いです。
4月30日、「Serial live experiments Final」にてお待ちしております。

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